サーフィン再開にあたり感じる事
40代に差し掛かると
時間に余裕が出てきて
昔に楽しんだサーフィンを
またやってみよう!
ボードも昔いし
気持ちはあっても
はじめるには
勇気が必要
湘南は近いけれど
人は多いし
千葉でもいってみようか
永いブランクで全く初心者
体は動かないし
パドルも肩が回らない
やっと波を捕らえても
でんぐり返り
寂しいありさまです
こんなはずじゃない
と感じる人も多いのではないでしょうか
私もブランクがあった時期は
そんな感じでした
これから、サーフィンを再開するにあたり
そんなに心配することはありません。
特に、頭でわかっているけど
体が動かないと感じている人は
さほど時間がかからず
昔と近いところまで
復帰することは可能です
肩が回るようになるのは慣れですよ
また、10〜20代でサーフィンを習得した人は
体が覚えています
体と頭が連動していないだけです
この時期、最低週1のサーフィンをしていれば
3ヶ月ぐらいで感覚は戻ってきます。
しかし、昔の感覚までサーフィンが戻るかは別の問題です。
過ぎた時間は戻って来ず
身体能力は年々低下しているのです
トレーニングの注意点?してはならない事
それでは筋トレとかランニングで
筋力、心肺機能をあげれば良いのでは
と考えがちですが
以前、私もそうでした
スポーツクラブに通い
パドル強化のため肩、背中、太腿の筋肉強化
そして心配能力の強化のため有酸素運動をして
柔軟性アップのためヨガをやったり
でも、波が大きいとゲッティグアウトで
肩が回らないし、息が上がっちゃう
だめなんです。
海に入らないとできないトレーニングもあるんですよね
数年の筋トレで体は締まったものの
ちょいマッチョになってしまい
70キロを超えてしまいました
今、思えばサーフィンするには
見た目は良いけど
反対方向の結果となった感じがします。
何故かというと
プロサーファー全般の体つきはどうですか?
そうです小柄で細マッチョ
何故でしょう?
話は少しずれますが
ボード屋サイドで考えますと
体重が軽い人のほうが
有利ということがあります
何故かというと
浮力の少ないボードのほうが
コントロールしやすいからです
しかし、体重と浮力は比例しますが
ボードコントロールからいえば
浮力が上がればコントロールしにくくなり
反比例します。
結果、体重が増えると
サーフィンは不利ということなのです。
サーフボードでカバーする
話は戻ります
身体能力が落ちた部分を
ただがむしゃらにがんばるだけでは
結果が上がってこないのです。
身体能力を上げる
トレーニングとしては
柔軟性、瞬発性、コアトレーニングなど
ここは専門ではないので割愛しますが
道具で(サーフボード)カバーする
これが私の仕事なので
ここからは、ちょっと掘り下げたお話です
体重が増えてしまった場合、維持している場合でも
10年以上のブランクを埋めるためには
浮力アップは仕方ないことです
単純にロングボーダーに転向するのも
いいでしょう。
私の先輩にもいますが
結局、ロング向きのポイントも限られるし
オンショアが強いときなど
コンディションに影響されやすいので、
結局両刀使いになってる場合が多いです
では、どのようなボードがいいのか?
例1 太マッチョの場合
年齢 42歳
身長 170cm
体重 70kg
過去のサーフィン暦 あり5年程度
レベル 中級者程度
ブランク 15年程度
この方はの場合はテイクオフさえ出来れば
サーフィンが戻るはずです。
しかし、本人と考えと作り手側の考えは
意外とかけ離れていている場合が多いんです。
オーダー時点でこんな話はよくあります
ボードイメージは
たいてい短いボードで
レールは入りやすいよう薄く、
パーリングしないように
ノーズロッカーは付けてもらって
キックテールが良いなー
ってな感じです。
それじゃ、ちょい厚いだけで
昔と一緒じゃん
乗れないから復帰できなくて
絶対諦めちゃう
復帰するには段階にあったボードが必要です
一気に駆け上がったとしても
つまずいてしまいます
この方の復帰サーフメニューを段階的に考えると
1.安定したテイクオフがで来るようになる
2.スピードをつけ波に乗れるようになる
3.リエントリーが出来るようになる
4.その人にサーフィンにあったボードを作り技術が上がってくる
5.その人の理想とするサーフィンに合ったボードを作り、ボードにあったサーフィンが出来るようになる
6.サーフィンがやめられない人となる
復帰サーフメニューは4年ぐらいかけて徐々に
アップグレードしていく感じです
実際、体重は82kgの2歳年上の先輩は
これと同じメニューで4年目です
只今、レベル5の入り口
5年前は肩ぐらいの時にアウトに出るのがやっと
だったのに
今はオフザリップもこなし
昔より数段巧くなって、サーフィンがやめられない人となっています
安定したテイクオフがで来るようになるボードとは
スタートは6’2″ぐらいでも良いかな?
ノーズを細めにするか、幅を持たせるかで
アウトラインも変わるのでノーズに幅を持たせるなら6’0”
70kgだから目指すは36L 少し多めですが。
重要なのは幅とロッカー
幅は52cmはほしいです
安定性アップは浮力ではなく幅です
2cm程度のアップがまったく違うんです
パドルするときの横ぶれや
テイクオフするときの
滑り出しの速さ
滑り出しの速さはテイクオフが早いということだけでなく
滑り出しからテイクオフまでの
ホールドしている時間の長さです
滑ってから立つまでの時間は
身体能力が下がった年齢になれば
短い時間の差が非常に大切
だって、パッって立てないんだから
そこの時間が短いと
かなりの確立で失敗しちゃうでしょ。
写真上
6’2” 幅52cm 厚さ6.6cm 38L
写真上
6’2” 幅52.5cm 厚さ7.0cm 36.5L
一番重要なロッカーです
通常6’2”ぐらいで販売している
ボードはファンボードでくくられる
ボードが多いですが
ファンボード用のブランクスは
意外とロッカーが強く
長くても動くような設計になっているんですよね
これが日本の波に、そしてこれからサーフィンを
復帰する人に合っているかと言うとNOです
乗りやすく水量の多い海外の波ではなく
日本の多くはしょわしょわドカンの波ですよね
その地にあったロッカーが必要です
これを3Dマシンで削り出せば
独自のロッカーが作り出せるわけです
ロッカーはシェイパー独自に持っているノウハウですが
これがブランドの色、味というところでしょうか
ここで使用するロッカーは
独自のober40用のロッカーで
おっさんファイターと呼んでいますが
癖がなくコントロールしやすいロッカーで
復帰ボードとしては非常にマッチします
もちろん3Dマシンで削ります
幅を持たせ、乗りやすいロッカーの組み合わせ
そして、その人が入るサーフポイントにあわせ
ボトムの形状、フィンセッティング、素材をチョイスすれば
満足度が高いボードが作れるという訳です
例2 痩せ型の場合
年齢 42歳
身長 165cm
体重 60kg
過去のサーフィン暦 あり5年程度
レベル 中級者程度
ブランク 15年程度
この例は、単純に体型は変わらず
細めの人の例です
中年以上になると
生涯の体型はだいたい決定し
これから劇的に変化する事は考えにくいので
意外とこれからも長くサーフィンを楽しめる体格ですね
もちろん前記したように
身体能力の低下は仕方ないですが
体重が10kg軽いことは既にポテンシャルが
高いのです
注目することは
下半身の筋力が低下していると考えられるので
サーフィンが加重タイプではないということでしょうか
なので、最初に考えるのは
ボードの素材です
EPSブランクスを使うことを前提に考えます
幅は基本的に安定性を生むものなので
幅は52cm位
体重と年齢、ブランクから考えると
プリシェイプ30L~位が理想
長さは必然と5’8”位となるでしょう
おすすめモデル2点
写真上
5’7” 幅52cm 厚さ6.2cm 31.5L クワッド 軽量eps カーボンテープ
写真上
5’8” 幅51.5cm 厚さ6.5cm 31L トライ US eps
何故EPSかというと
下半身の筋力が少ないということなので
目標とするサーフィンスタイルは
ドライブするサーフィンより
滑らすサーフィンが向いているということです
EPS素材の特性からいうと
EPSブランクスは発泡密度が大きく
同じ体積でも空気が含まれる量が多いので
重さも軽く、浮力もPUと比べると大きくなります
単純に浮力が大きくなるということだけではなく
ボードの重心といいますか
PUの特性とかなり違います
PUボードはその重さと
波がめくれあがる
パワーを推進力と変える感覚がありますが
EPSボードは波から押し出され
加速するという感覚でしょうか
お風呂で石鹸をつかんだ時
飛んでいってしまうような感覚と同じで
カールやスープから押し出される感覚と
同じような気がします
物理学的な証明ではないので
あくまでも感覚です
テイクオフの滑り出しも
乗れるか乗れないかわからない
EPS特有の滑り出しがあります
押し出される感覚です
PUしか乗っていない人には
違和感があり
確実に滑り出してから
乗るのですが
体重がさほど重くない60kgの人なら
この時点でテイクオフが可能になります
テイクオフが早いということが第一点
そして、軽く波を滑ることに優位があるEPSは
もともとサーフィンスタイルにマッチしていることが
第二点として挙げられます
例2の方は
EPS素材
長さ5’8”
幅52cm
30L
おっさんファイターロッカー
という事となります
サーフポイントによって
レール形状やテールの厚調整を考えれば
満足度の高いボードが仕上がるはずです