ロングフルレストア 巻き直し

今回はクラシックボードを
重いボラン巻きに変更します。


入庫されたオーナーは
どこのショップに持って行っても
引き受けていただけなく
当工場にお持ち込み頂いた経緯です。

当然ですよね。
まだまだ、乗れるボードを
クロス剥がして再ラミネートなんて
リスクが高いし、利益も少ないし
全くメリットが無いのですから
引き受ける意味がありません。

しかし、大金を支払ってボードの仕様変更を
するのもオーナー側の立場からすると
躊躇するところでしょう

ボードビルダーの立場からすると
新しいボードを買い換えるのもアリ
お気に入りのボードをズッと乗るのもアリだと思います。

出来ない事は引き受けられないですが
出来る事は出来る限り引き受けたいものです。

半透明なホワイトの樹脂カラー

今回のボードの状態は非常に良いので
再ラミネートにはかなり気を使います
それは、仕上がった時の状態が
持ち込み時点より数段綺麗に
仕上げないとならないからです

ご要望は、バルサの1インチストリンガーが
判るように仕上げたいとのことで
普通は下地が見えない様に
濃いピグメントでラミネートするのが
通常です。
打ち合わせの結果ホワイトパールを入れて
半透明な白色とパッチに薄いカラーを入れることに
決まりました。

作業の段取り

ラミネート樹脂をはがすことから

サンディングではがすのではなく
カッターでクロス目に沿って縦に
剥がして行きます。
レールは三重にクロスが重なっているので
慎重に剥がします。


ディケール・ディメンションに関して

ディケールは再利用が出来ませんので
作り直すことにしました
ストリンガーの入っているサインとディメンション
ここは、剥がしてしまうと
鉛筆の色まで飛んでしまうので
サンディングでクロスが少し残る程度に
残しておきます。

ブランクスの状態になったら

大まかな凹みをQセルで調整
サンディング後、目止めのため
パテを入れて、白色で塗装しました。


ここで歪みを追求しても
削る時にブランクスが削れてしまい
歪みが大きくなるので
一回4ozで巻きます。

細かい歪みや凹みの修正はここから

塗装後にQセルで修正すると
白色の違いが出てしまいますが
仕方ありません。
ボランクロスで巻くので
下地に影響されにくいとしておきましょう

ボランクロスでラミネート

補強用のパッチは色をつけて欲しいとのことで
薄いグリーンの樹脂でパッチを入れました
半透明のホワイトで巻くのでやや濃いめです


ボラン巻きはノーズテールがの巻き込みが厄介です。
重く厚いので樹脂が固まる前に
自重で巻き込んだクロスが
剥がれやすい事ですね


ようやく最終段階
新規のラミネートに費やす時間のほぼ倍かかりました
まずまずの仕上がりでしょうか。

ボックスの入れ替えがないので
今回は大4枚です